山の情報

これから雪山を始めたいと思っているあなたへ

こんにちは!登山ガイドの葛谷です。
2月は予定が立て込んでいて、ほとんど家で過ごすことが出来ませんでした。
八ヶ岳、谷川岳周辺、長野県の小諸市周辺、大町市に滞在していましたが、今年はどこも雪が多いですね。

2022 2/8 八ヶ岳黒百合ヒュッテ周辺
2022 2/14 新潟県十日町市

特にここ数年雪が極端に少なかった事もあって、ウインタースポーツをする方からしたら、久しぶりに良いシーズンを送っているのではないでしょうか。(雪国住みの方すいません汗)
私の住んでいた白馬も雪が少ないシーズンが続き、スキー場がまともに営業出来ないとの事から、気候緊急事態宣言が発令されていました。

本題に入っていきますがそんな中、雪が豊富で恵まれている今シーズンからウインタースポーツ、雪山を始める、または始めたい!という方も多いのではないかと思います。
今回は雪山を始めるに上で知っておきたい事、役に立つ情報を書いていきます。



1 夏山と冬山(雪山)の違い

まず冬山を始めるという方は、夏山には既に何回か登っているという方がほとんどではないかと思います。
「夏も登った事あるから」「大勢の登山客が登ってるから」といって、夏山気分で安易に入山してしまうと、大きな事故を巻き起こしてしまいます。
では実際、夏山と冬山の間にはどのような異なる点があるのでしょうか?


必要装備

真っ先に必要な装備が大きく異なってきます。
冬山と聞くと、まずワカン、スノーシュー、ストック、アイゼン、ピッケル、冬靴、冬用のウエアー(ハードシェル)、手袋、ビーコン、ゴーグル、バラクラバなど、冬山装備はいくつもありますが、全て必要なわけではありません。
この中から登る山によって装備を選択し冬山へ持っていきます。
これを読んでくださっている方は、これから雪山を始めていきたい方が大半だと思いますので、必要な装備をデビューする冬山に合わせて揃えていきましょう!
スノーシューやアイゼン等は、最初はレンタルとかでも良いかと思います。

長野県 飯綱山


一番良くないのは、必要な装備を揃えたものの、使い方が分からない状態で山に来てしまい立ち往生してしまう。
よくアイゼンの装着の仕方が分からない、ピッケルの使い方が分からないといった方をお見受けしますが、実際に山に行く前に練習しておく事、もしくはガイドを雇って山に入ることをオススメします。

写真は雪山デビューの友人。
本来ならピッケルは必要ありませんが、ここで練習しました。
その後ピッケルの必要ないところで繰り返し練習し、本格的な雪山へとステップアップしていきました。

最低限冷え対策を各自で対策する事!

防風の厚手の手袋、薄手の手袋、ニット帽、メリノウール製の靴下、速乾性(メリノウールなど)のアンダーウェアー、フリースやダウン、季節や場所によっては雨具でなく、ハードシェル。
冬山ではとにかく体を冷やさないこと、そして濡らさない事が重要です。
低体温症や凍傷に繋がります。


暖かい格好だからといって、普段着ているような服装ではNGです。
汗をかいてもしっかり吸収してくれる素材を選んで揃えておきましょう。
道具に関して無料相談等も行っておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい!

無料オンライン相談

気象条件

当たり前ですが、冬はより気象条件が厳しく、予想もシビアになります。
予報では晴れだったのに、、なんて事は多々ある為、最悪な条件になる事を想定し行動して行く必要があります。
抑えておくべきポイントとしては、その地域の気候、気象条件を頭に入れておく事。
日本は大きく分けて、太平洋側の気候と日本海側の気候に分けられます。
登る山がどちらの気候に属しているのか頭に入れ、過去の天気などを参考に、山がどのような状態となっているのか頭に入れておきましょう。
合わせて登山レポートなどを見て情報入手をしておくと良いでしょう。
一見、太平洋側の気候と思われる紀伊半島、鈴鹿や四国、九州の標高の高い山は冬型の影響を受けやすい為、注意が必要です。
関東地方南部の山は典型的な太平洋側の気候です。

西高東低の冬型
南岸低気圧

基本的に冬は上の2つの気圧配置の繰り返しです。

冬型の気圧配置となり日本海側で雪→冬型が緩み全国的に落ち着いた天気になる→西から南岸に低気圧が通過し太平洋側で雪になる→そして冬型へ

気温、風にも気をつけなければなりません。
高気圧に覆われていい天気の日も、冬山は基本的には風が強いです。
風速が1m/s強くなるにつれて体感温度が1℃下がります。
気温0度で風速10m/sの日は体感温度−10℃です。
使わないと思っても、ザックの中にオーバーグローブやハードシェル等の風対策は入れておきましょう!


読図力


冬山になると必ず必要な能力です。
夏だと、道があり道標があり、最悪地図を見なくてもなんとかなってきた事が多いかと思います。
冬山だとそんな訳にもいきません。
トレースがあっても、雪が降れば消え、道標があっても、雪で埋まってる、なんて事が多いです。
そもそも夏と冬とではルートも異なる事が多々あります。
また、雪庇や雪崩道など夏とは全く違った危険も存在します。
そんな中、何も知らずに入山すると大変なことになってしまいます。

これは実際にホワイトアウトになった時の写真です。
こうなった時に地図を読んで現在地を把握し、実際に進みたい方向に進めるか。
またGPS等も使いこなせるか、そこが安全な冬山登山のポイントとなってきます。
地図読みの基本は難しい事ではないので、必ずマスターしておきましょう!
オンラインで伝えれる事のみとなりますが、無料オンライン相談からもレクチャー致します。

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雪山の魅了

ここまで雪山の注意点ばかり話してきましたが、ここからは雪山の魅力についてお話ししていきます!

夏とは全く違った景色を楽しめる

真っ白な地面、真っ白な樹木、真っ白な道標、そして真っ青な空。
全てを取っても新鮮な景色があなたを待ち受けています。
これらを一度体験すると、雪山の虜となる事間違いなしです!

静かな登山を楽しむ事ができる

夏山より比較的登山者が少ない為、静かな登山を楽しむ事ができます。
風の音、雪の落ちる音、自分の足音、鹿の鳴き声くらいしか聴こえてきません。
これが本当の山の醍醐味では無いのかと思っています!

圧倒的に飯が美味い

雪山で食べる暖かい飯が本当に美味しいんです!
基本的にはスープやラーメンですが、時間のある時は鍋なんかもオススメです!

害虫やクマがいない

蜂、蚊、ハエ、マダニなどの害虫がいません。
虫の嫌いな方からしたらメリットでしかありませんね♩
クマはいない!、、、はずです。

雪山を決めるにあたって

初心者の場合、基本的には標高の低い山から選んでいくのが無難です。
例外もありますが気象条件の厳しくない場所、麓との気候の差がなるべく少ない場所を選ぶと良いと思います。
また人が入っている山、行程が短い山も選ぶ際のポイントです。

それでも心配な方はガイドを雇うのも一つの手段です。
これから雪山を始めたい。やはり心配だという方は是非お気軽にお問い合わせください。

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次回は具体的に、初心者の方が3月以降も楽しめる雪山を紹介していきます♩

登山ガイド 葛谷 涼

登山ガイド 葛谷 涼

中部地方を中心に全国各地の山を案内しています。 特に北アルプスや岐阜県近郊の山に登る事が多く、そこが得意エリアとなります。 ガイドの依頼、登山に関する事などお気軽にご相談ください!

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